’21 5/21公開『いのちの停車場』~吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行など豪華キャスト陣による【’21 4/14 完成披露試写会時のコメント』【TIROIR:映画】



公開前に行われた『完成披露試写会(2021年4月14日)』に登場したキャスト陣と成島監督のコメント(※抜粋)をお届けします。

役作りや作品への想いを言葉にしています。

撮影現場でどのように作品作りがされていたのかを少しでも知っていると、より想いを寄せて鑑賞することができるかもしれませんよ。。。

役者さんと成島監督のやりとりはとても温かく、素敵な作品であることが伝わってきます!

では、お楽しみください~

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《吉永小百合》白石咲和子役

「初めての医師役だったので、監督がいろいろ指示をしてくださいましたし、映画の中でドクターとしての咲和子が大変な思いをしながらも成長していけばいいと言っていただきました。」

→監督

「何よりびっくりしたのは、この吉永小百合がまだ成長しようとするというか、ものすごい映画に対して努力するというか、もういいんじゃないかというくらい。。。今回の役は年齢に関係なく努力して成長していく部分がぴったりときて、嬉しい出会いでした。吉永さんのために書かれたような原作です」

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《松坂桃李》野呂聖二役

「皆様と対面して作品を届けることが難しい中で、こういう機会があることに喜びを感じますし、改めていのちの停車場という作品をしっかり届けたいなという気持ちでいっぱいです。……監督からは、吉永さんが“月”なら僕とすずちゃんは“太陽”のような存在でいてほしいと言われて、そうなれるように務めようと現場で向き合っていました」


《広瀬すず》星野麻世役

「完成を観た時に、すごく希望のある作品だなと思いました。……クランクイン前から、監督には『太陽のように』というのは言われていたので、ずっと意識していました。自分の過去のことを話すシーンがあるのですが、そこでは監督さんといろいろなことをお話しし、ご指導いただきながらお芝居しました」


《西田敏行》仙川徹役

「コロナ禍の中で本当によくぞ最後まで撮影完成に至ったなと思っています。いろんないのちに問いかける、悩んでいるいのち、先を急ごうとするいのち、やけになっているいのち。そんないのちたちに優しく問いかけている作品になっていると思います。……吉永さんが妻で、桃李くんが長男で、すずちゃん長女というような気持ちを勝手に思い込んで演技をさせていただきました。だから私がお父さんですね。……なんと言っても、憧れの吉永さんとは30何年振りでまたご一緒させていただいたんですが、一瞬にしてまだまだ初々しい吉永さんが立っておられたので、びっくりしました。時というのは人によって公平不公平があるんだなと(笑)」

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《みなみらんぼう》柳瀬尚也役

「監督にどんなふうに演じたらよいかを聴いたら、ふだんのままやってくれと。一番それが難しいと内心思ったものでした」

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《小池栄子》寺田智恵子役

「(私が演じる)芸者さんが病をどう受け入れてどう向き合っていくのかについて監督からは指示があったと思いますけれど、決して後ろ向きになるのではなく、病とともに生きていく、そして最後まで芸者として生きていくという覚悟みたいなものが。……それぞれ病との向き合い方というのはケースが違うと思うんですけれど、私が演じた芸者さんというのは覚悟を持って、私は私らしく生きていくという姿になればいいなと」

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《泉谷しげる》並木徳三郎役

「監督は演技に関してあれやれ、これやれ言わないんですよ。任せておいてだめだというタイプ。もう一回やれと。自由にやらせておいて、違うなって。一番いい形じゃないですかね」

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《中山忍》白石咲和子が幼少時の母役

「現場に入るまでは吉永さんのお母さん役ということで、嬉しくて浮足立った気持ちでいたんですけれど、最初のテストのときに、監督さんから『お芝居をしようとしないでください』って言われたんです。すごくハッとしました。その後からは咲和子のお母さんとしてその場にいようと心がけました」

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《石田ゆり子》中川朋子役

「私の役は原作にないオリジナルの役と伺っています。岡田会長(東映グループ会長:岡田裕介氏 2020年11月18日没)が私を薦めてくださって……。私の役はモデルになる方が、小川誠子さんという女流棋士の方で。その方の本とかビデオとかを拝見して、小川さんに失礼がないように。実際に小百合さんのお友達でもあったので、小百合さんが違和感がないようにと、そういうお話はいたしました」

→監督

「(小川さんに)そっくりでした。現場で、ここまでのり移るのかという感じで。石田さんがそうなってくださったんで、吉永さんも本当に感情がのって、二人のシーンは素敵なシーンになっていると思います」

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《南野陽子》若林祐子役

「余命宣告を受けた娘をなんとか生かしたいと思うお母さんなんですが、そのお母さんがどのようにして気持ちを整理させるというか変わっていくのかが今回の役でした。いろんな人の近づいた死、直面した死についてのシーンが描かれているんですが、(作品を)観終わった感想は“生きるってなんて素晴らしいんだ、生きることの素晴らしさとどう生きるかがきちんと色々描かれていたので、私だったらいのちのしまい方をどうするかなと改めて考えていただける作品になったんじゃないかなと思っています」

「現場では監督の死生観というか、例えば『安楽死についてどう思いますか』とかそういったことをたくさんお話させていただきました。監督はまほろば診療所の先生かと思うくらい、こちらのやることや言うことを見守ってくださり、すごく寄り添っていただけました」

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《田中泯》白石達郎役

「成島監督の作品には以前にも出させていただいて、その時のとっても楽しい記憶が残っていまして、(今回)吉永小百合さんというスターのお父さん役、本当に驚きました。同い年なのに……。ちょっと不安になって『大丈夫ですかね』って監督に聞いたら『大丈夫、大丈夫』って。……本当に撮影期間、必死の思いでした。本当に記憶に残る、残り続ける映画になると思います。……感謝です」

→監督

「泯さん、この映画で病に倒れる役なんですが『5キロ痩せたい』って言うんですね。泯さん、ダンサーでしぼる肉なんてないし、泯さんの年で5キロ痩せるのは命にかかわるからやめた方がいいって言ったんですけれど、本当に5キロ以上痩せていただいて。その気迫がスクリーンに映っていると思うし、命削って役作ってくれたことに感謝でいっぱいです」

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最後に

《吉永小百合》

「今日はありがとうございました。この素晴らしい俳優さんたちとセッションのような気持ちで撮影をすることができ、今日の日を迎えられたことをとても感謝しています。ただ撮影が終わった後で、私たちにとって大変大きな悲しい出来事がございました。総指揮の岡田会長が亡くなられたことです。でもとっても温かい励ましとご援助をいただきました。心から感謝しております。そして私たちはこれから公開までこの映画をたくさんの方に観ていただけるよう、アピールしていきたいと思います」

と、現場を振り返るとともに、岡田会長故人への思いも語り、舞台挨拶が締めくくられました。


≪CREDIT≫ ---------------------------------------------------------------------------

出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず

南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる 石田ゆり子 田中泯 西田敏行 ほか

監督成島出 

脚本:平松恵美子 

原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎文庫)

コピーライト:@2021「いのちの停車場」製作委員会



(文:相原郁美)