言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールストーリー ’21 7/22(木)公開アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』【TIROIR:映画】

 


 本作のキーワードは「言葉×音楽 

俳句が趣味の男子高校生、チェリー役を市川染五郎。歯科矯正がコンプレックスのJK配信主、スマイル役を杉咲花が演じる。監督・脚本・演出としてイシグロキョウヘイが携わっている。 

 『四月は君の嘘』、『クジラの子らは砂上に歌う』などのTVアニメを手掛けたイシグロキョウヘイ。数多くのアニメーション作品を世に送り出してきた彼の初劇場アニメ監督作品となり、アニメファンにとって、とても印象深い作品となるだろう。彼が抱いた、“今の現代に「リアルな言葉」は必要なのか”という問いの答えが映画に映し出されており、「映画を見終わったあとで、ほんの少し自分に自信が持てる、そんなメッセージをどうか受け取ってください」とコメントした。 

 今回声優初挑戦だという、歌舞伎役者の市川染五郎。チェリーの声はなかなか聞こえてこなかったとイシグロキョウヘイは語っていたが、彼に行き着いた理由は何だったのか。それは、遠く離れた席までも“表情”が届く芝居の技術が、イシグロキョウヘイの目に留まったのだ。実際に歌舞伎座に足を運び、芝居を見た時に、チェリーが完成したという。市川染五郎はチェリーと同じ高校2年生。また、“人と話すのが苦手”、“声が小さいことを指摘される”など、共通点が多いとか。「チェリーとの共通点を大切にしながら、一体になれるよう精一杯務めたいと思います」と語っていたのも印象的だ。 

そんなチェリーとは真逆で、シナリオ執筆の時から決まっていたスマイルの声は、女優の杉咲花。「青くて痛くて脆い」、「無限の住人」など多くの作品に出演しているほか、「メアリと魔女の花」、「思い出のマーニー」で声優を経験したこともある。感情を乗せた声をメロディーのように彩るセンスや、表情が見えずとも声ですべてを伝えられる芝居力と佇まいを持つ彼女が選ばれた。「コンプレックスを抱えながらも、どんな時も明るくしゃんと立っているスマイルに勇気をもらいました。湧き上がる感情を大切に、頑張ります」と話していた。 

メインキャラクターの2人のほかに、山寺宏一、神谷浩史、坂本真綾、中島愛など豪華声優陣も数多く出演している。 

土屋アンナや紫吹淳、栗原類、梅沢富美男などの著名人や、「四月は君の嘘」の荒川直司、「クジラの子らは砂上に歌う」の梅田阿比など漫画家からも絶賛の声が上がっている。

 

STORY 

17回目の夏、地方都市__。 

コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している17歳の少年・チェリー。彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。 

矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている18歳の少女・スマイル。人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。 

俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。 

ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。 

だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って__。 

物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。 

アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーンに、あなたの感情が湧き上がる!

(文:日角優月) 

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【CAST

市川染五郎、杉咲花/山寺宏一/潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、井上喜久子/神谷浩史、坂本真綾

STAFF】 

原作:フライングドッグ 

監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ 

脚本:佐藤大 

キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子 

音楽:牛尾憲輔 

演出:山城智恵 

作画監督:金田尚美/エロール・セドリック/西村郁/渡部由紀子/辻智子/洪昌煕/小磯由香/吉田南 

原画:森川聡子 

配給:松竹 

主題歌:「サイダーのように言葉が湧き上がる」never young beach 

劇中歌:「YAMAZAKURA」大貫妙子 

アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション 

制作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会 

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