すべてを音楽にささげるピアニストの実話を映画化『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』2020年9月11日(金)公開!【TIROIR:映画】 

 

「それでも私は音楽をやめない。」by =ジョアン・カルロス・マルティンス

 バッハを愛し、バッハに愛された男:ジョアン・カルロス・マルティンス。1940年に生まれ、8歳から始めたピアノで才能を開花させ、13歳にしてプロの演奏家に。バッハの演奏において20世紀最も偉大な奏者と呼ばれ、世界的に活躍するまでになった男だ。一流の演奏家として世界を飛び回っていたジョアンだったが、不慮の事故によりピアニストの命ともいえる指に障害を抱えてしまう。彼は不屈の闘志でリハビリに励み、再び音楽活動できるまでになる。復帰を果たし自身の代名詞とも呼べるバッハの全ピアノ曲収録という偉業に挑むジョアン。しかし彼にさらなる不幸が……。

本作は人生のすべてを音楽にささげたジョアン・カルロス・マルティンスの実話をもとにした作品だ。すべてを手にし、すべてを失った天才の華麗で過酷な人生が一本に集約されている。


ジョアンが日本で知られるきっかけの一つはリオパラリンピックにある。パラリンピックの開会式(2016)で行われた彼の国歌演奏の模様は日本でも話題になり、障害を抱えた両手で奏でられた音楽は多くの人を虜にした。


幼少期「ダヴィ・カンポロンゴ」、青年期「ロドリゴ・パンドルフ」、高年期「アレクサンドロ・ネロ」の3人でジョアンを演じている。特にアレクサンドロ・ネロはもともと作曲や演出を手掛けており、後年スタートした俳優業で着実に成長し続ける異質のキャリアの持ち主。音楽にかかわった仕事をしていたからこそできる独特の演技は彼にしかできない芸当だろう。まるでプロを見ているかのようなピアノ演奏シーンにも注目していただきたい。ぜひ映画館の広いスクリーンで体感を。

 

「それでも私は音楽をやめない」

この一言にジョアンの人生が体現されている。どんなに絶望を繰り返しても、人生にはバッハの曲があった感動の物語は、911日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開。


(文:尾澤慎之介)


≪CREDIT≫ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

監督・脚本:マウロ・リマ 

出演:アレクサンドロ・ネロ/ダヴィ・カンポロンゴ/アリーン・モラエス/フェルナンダ・ ノーブル 

字幕:原田りえ

配給:イオンエンターテイメント

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞